いい1日のはじまりに。横浜のモーニングで美しい自然に癒やされる

横浜市在住のおでかけ好き地元ライターが、とっておきの横浜の魅力を、地元民目線で紹介します。

素敵なモーニングで一日を始められれば、その日をずっといい気分で過ごせる気がしませんか?きらきら輝く海やみずみずしい緑が彩るロケーションなら、いっそう心地いい朝時間になりそう。横浜には、早起きして遠出しなくても豊かな自然に触れられるモーニングが充実しています。今回は、シチュエーション別におすすめの横浜モーニングをご紹介します。

横浜のモーニング①よく晴れた休日の朝、海辺の絶景の開放感を満喫

山下公園の西端に位置し、港の景色を満喫できるテラス席を完備。公園の芝生で優雅に過ごせるピクニックプランもあります(写真提供:ザ・ワーフハウス山下公園)

天気のいい休日の朝、「海を眺めながら朝食を味わいたいな」と急に思い立っても、横浜に住んでいれば近くで実現します。そんなとき訪れたいのが横浜のシンボルのひとつ、山下公園内に2023年にオープンしたカフェレストラン、中区「ザ・ワーフハウス山下公園」のモーニングです。海辺の開放感に包まれて食事やお茶ができます。

「ワーフハウス・モーニングプレート」1650円。300円追加でブレンドコーヒーや紅茶なども注文できます(2024年12月時点の価格)。

モーニングは9時〜10時に2種類のメニューが用意されています。写真の「ワーフハウス・モーニングプレート」は、横浜に本社のある「ファンケル」のグルテンフリーの玄米ブレッドを使ったアボカドとトマトのクロックムッシュが主役。スパイスが香るアボカド、とろりとしたチーズと厚めのベーコンが食べ応え満点。爽やかなケールサラダや3種の野菜のデリも付いています。

より軽やかにしたいなら「グレインズ&ケールサラダ(玄米ブレッド付き)」を。プチプチ食感の雑穀やケールの噛み応えで満足感もあります。2種類とも野菜たっぷりでヘルシーだから、海辺のランニング後に楽しむのもいいですね。

港を眺められる足湯テラス。(写真提供:ザ・ワーフハウス山下公園)

海を見ながらモーニングを味わったあとは、足湯テラス(有料)でのんびりするのもおすすめ。港を行き交う船を眺めてリラックスすれば、いっそう海辺の開放感に浸れます。

カフェレストランになぜ足湯が?と不思議に思うかもしれません。実はこちらは、官民連携で公園の整備や管理を行う制度「Park-PFI」を活用し、横浜市と「山下公園再生プロジェクトグループ」との連携で生まれたお店なのです。

「公園はみんなのもの。飲食だけではなく、公園にふさわしい公益性を備えた場としてデザインしています」と、運営を行う企業「ゼットン」の伊藤さん。足湯テラスは、横浜散策や観光の合間にひと息つけるスポットとして設けられているのです。

ほかにも、外のテーブルは誰でも自由に使えたり、オリジナルグッズや横浜みやげを販売するショップが併設されていたり、授乳室やキッズスペースが設けられていたり。年齢や世代を問わずさまざまな人が心地よく過ごせるように、との想いが伝わる空間です。

店の外の丸テーブルはお店のお客さん以外も使用OK(写真提供:ザ・ワーフハウス山下公園)
マグカップなどのオリジナルグッズや横浜みやげのショップを併設
ショップの奥にある授乳室。明るく広々、ナチュラルな内装が好評だそう
店内の一角にあるキッズスペース。ベビーカーのまま店内に入れるのもポイント

さらに嬉しいのが、中華街やみなとみらい、元町・山手に足を伸ばすのに便利なロケーション。モーニングや足湯をゆっくり楽しんだあとは、公園を散歩したり、周辺のお出かけスポットを巡ったりすれば、充実した休日が過ごせそうです。

すぐそばに広がる横浜らしい景色に気分が上がります

基本情報
「ザ・ワーフハウス山下公園」
住所:横浜市中区山下町279
営業時間:9時〜22時 ※モーニングは9〜10時 不定休
URL:https://wharfhouse-yokohama.zetton.co.jp/

横浜のモーニング②リラックスしたい朝、緑に囲まれた文化財でのんびり

昭和初期に品川から移築された2階建ての木造建築の画像
昭和初期に品川から移築された2階建ての木造建築

忙しい日常を忘れて、のどかな気分を味わいたい─。そんな週末の朝には、金沢区にある「カフェ金澤園」へ。1929年築の国の登録有形文化財の元料亭旅館を活用したカフェで、ノスタルジックな気分に浸れます。

こちらのモーニングは土・日曜・祝日の8時30分〜10時限定。週末の朝、優雅な気分でホットケーキのモーニングがいただけます。

土・日曜・祝日限定のモーニングはドリンク付き1100円(2024年12月時点の価格)。ホットケーキに卵やソーセージなどがついてボリュームにも満足

モーニングが味わえるのはテラス席か1階席のみ。天気がよければぜひ開放的なテラス席へ。鳥のさえずりを聞きながらのんびり朝食が楽しめます。

外にある4卓のテラス席では愛犬と一緒にお茶や食事ができます
アットホームな雰囲気の1階席。壁にはドッグアーティスト・タムラエイジさんがオーナー斎田さんの愛犬を描いた作品も

この建物で圧巻なのが2階席。約25畳の大広間は、2面が大きなガラス窓で開放感満点! 外には山の緑が広がります。モーニングの時間帯も見学可能なので、ぜひ訪れて。

与謝野晶子も短歌会を開いた2階の大広間。4テーブルのみで席間が広く、ゆったり感も贅沢

10時30分以降は2階でもお茶や食事ができるので、モーニングの後は、大広間でゆっくりするのもおすすめ。静けさとのどかな緑の風景に心癒やされます。

生地から手作りのサクサクのタルトが名物。定番のクルミやバナナのほか、季節の果物のタルトなど5種前後あり、写真のようにハーフ2種でも注文可能。タルトとドリンクのセット1430円(2024年12月時点の価格)
建具や格天井も趣深い玄関
フランス製のステンドグラスやモザイクタイルがレトロな浴場

もともとこちらは、大正5年(1916年)創業の料亭が昭和5年(1929年)に移転した旗亭(宿泊のできる料亭)。その歴史は深く、歌人・与謝野晶子や俳人・高浜虚子も訪れたそう。

築100年を超えるこの建物を大切に守りながら、2020年にカフェとして生まれ変わらせたのが4代目の斎田さんです。

「海外留学時に、古い建物を大切にする街づくりや地域の人々が日常的に集うカフェの文化に感銘を受けて。以前の料亭は予約制でしたが、老若男女誰でも気軽に訪れられる場としてこの建物を活かしたいと考えたんです」

今では写真好きの学生から赤ちゃん連れの親子、高齢の夫婦まで、幅広い世代が訪れ、建築好きなど、一人で訪れる人も男女問わず多いそう。

春は梅や桜、夏は新緑、と季節ごとの景観も魅力。周辺には寺社も多く、歴史散歩も楽しめて、横浜の奥深い魅力も発見できる場所です。
「海も山も近くてのどか。本当にいいところです」と斎田さん。

平日は都会暮らしの便利さを味わいつつ、週末にはこんな緑豊かなカフェでリフレッシュできるのも、横浜暮らしのメリットです。

基本情報
「カフェ 金澤園」
住所:横浜市金沢区柴町46
営業時間:10時30分〜15時(14時30分L.O.)
土日祝8時30分〜16時(15時30分L.O.)
※モーニングは土・日曜・祝日の8時30分〜10時
定休日:火・水曜
URL:https://www.instagram.com/kanazawaen1916/

横浜のモーニング③お疲れ気味の朝、ハーブと焼き立てパンに癒やされる

ハーブの庭を見渡せる喫茶室。季節によって変わる緑の表情もみどころです

最近少し疲れてるかも…。それなら、「緑山ハーブガーデンナチュラパス」(青葉区)の喫茶室で豊かな緑に囲まれリフレッシュする朝時間はいかがですか?

「緑山ハーブガーデンナチュラパス」は、東急「こどもの国」駅から徒歩20分ほど。周囲にはのどかな田園風景が広がります。

この緑のトンネルがハーブガーデンの入口。夏は鉄柱が見えなくなるほどの緑が覆うそう

「敷地面積は約1200㎡でテニスコート4.6面分以上。ハーブをはじめ、ユズやスモモなどの果樹を含む100種以上の植物を、農薬を使わず育てています」と、代表の野川さん。

ハーブなどの苗を販売するほか、くつろげる喫茶室もあり、ヨガやボタニーペインティング(葉をパネルに貼り付けて彩色するアート)、寄せ植えなどのワークショップが開かれるスペースも併設されています。

植物が茂る通路(写真提供:緑山ハーブガーデンナチュラパス)
写真のキウイのほか、イチジクやサルナシ、フェイジョアなど珍しい果実も

入口脇には、自家製のパンやケーキのショップがあります。モーニングなら、こちらでパンを買って喫茶室へ。

天然酵母パンや、シフォンケーキなどのお菓子、ガーデンでとれた野菜や果物も販売

パンやケーキはすべて製造責任者の齋藤さんが担当。庭で収穫した果物やハーブの天然酵母を使ってパンを手作りしているのだそう! カンパーニュやフォカッチャなどの食事パンのほか、惣菜パンや菓子パンまで10種前後が揃います。

左は天然酵母のゴマカンパーニュ。中央上から時計回りに、つぶあんぱん、3種のきのこクリーム、フランクパン、ごぼうマヨ、甘栗パン。季節でラインナップは変更。1個200円〜(2024年12月時点の価格)
この日のフレッシュハーブティーはアップルミントとレモングラス。つぶあんパンは上に載った桜の塩漬けも自家製です。3種のきのこクリームはコクのあるソースがほの甘いパンにマッチ

ふわふわの焼き立てパンは具材のやさしい風味も相まって、ほっと和む味わい。フレッシュハーブティーは庭で摘んだ季節のハーブを抽出。心まで清められるような爽やかな香りです。

自家製ケーキも見逃せません。シフォンケーキやチーズケーキをはじめ、ブルーベリーやイチジクなど庭で採れた果物やハーブを使ったお菓子も季節ごとに登場します。

喫茶室からの眺めにはガーデンの外の建物が見えず、野鳥もひっきりなしに訪れ、高原リゾートにいるような気分に。

庭に来ていたシジュウカラ。「アカゲラやフクロウ、キジも来ます」と野川さん。タヌキやイタチが来ることも
ウサギの家もあります

「特に平日はゆったりしていて、Wi-FiがあるのでPC作業する方もいらっしゃいます。“訪れると元気になれるパワースポットだよ”と言ってくださる方も」と齋藤さん。

知る人ぞ知る緑のカフェ。近くに暮らしていれば、気軽に訪れてパワーチャージができそうですね。

基本情報
「緑山ハーブガーデンナチュラパス」
住所:横浜市青葉区奈良町1734-2
営業時間:9時30分〜夕暮れ
定休日:不定休(Instagramで確認を)
URL:https://www.instagram.com/naturapath1/

みなとみらいをはじめ都会的なイメージの強い横浜ですが、海にも山にも近く、自然に触れられる素敵なモーニングスポットもいっぱい。
朝から遠出することなくそんな豊かな時間を過ごせることも、横浜暮らしの魅力のひとつです。

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