「住みたい街ランキング」7年連続1位(出典:SUUMO住みたい街(駅)ランキング2024首都圏版)と、圧倒的な人気の街・横浜。交通の便がよく、観光・商業施設などが充実していて、“横浜に住めばなんでもある”……そんなイメージが強いですが、ここ最近は子育て世代からの熱い支持も集めているんです。
目次
子育て中の親が重視していること
子育てをするうえで、“住む街”は非常に重要で、みなさん慎重に選びますよね。親にとっても子どもにとっても安全安心であるだけでなく、教育環境やさまざまな施設が充実していて、体験の場が豊富であることも重要なポイント。では実際、お子さんには子どものうちにどんな経験をさせたいのか、with class mamaメンバーであるねねさんがInstagramでアンケート(※)を取ったところ、
1位「スポーツやアウトドア、自然とのふれ合い」:54%
2位「知的好奇心や感受性を伸ばす体験(博物館や科学館など)」:35%
3位「海外の人との交流」:8%
その他:3% という結果に
※with class mamaメンバー・ねねさんInstagramアカウントストーリーズにて2024年12月実施、725名が回答。
そんなねねさんご自身は、結婚後、横浜市に移住したそう。現在3人のお子さんを育てながら、プロ家庭教師として活動するねねさんですが、横浜市を選んだ理由とは?

「やはり一番重視したのは、“子育て世代に優しい”かどうか。横浜市は助成金などの経済的サポートはもちろん、公園や地区センター (いわゆる公民館)などの公共施設や商業施設がとにかく充実しており、子育て世帯を受け入れる体制が整っていたのが決め手です。施設に授乳室がきちんと整備されていたり、歩道の幅はベビーカーでもラクに通れるような広さだったりと、そんな細かなところまで配慮されているおかげで、3人の子どもを育てるのにも安心でした。
また、学校教育においても、『正直、羨ましい……!』と思うこともあるほど、年々進化し続けていると感じています。
そしてなんといっても、動物園や博物館、科学館など、体験の場が市内に数多くあるところも重視した点です。“将来、自立をして飯を食える大人になってほしい”というのが我が家の教育方針なのですが、そのためには学力だけを身につけるのではなく、創造性や感性の豊かさも大切だと思っています。現代はネット動画などさまざまな娯楽で溢れていますが、与えられたものを見て、次におすすめされたものを見て……と、つい受け身になってしまいがち。主体性を身につけるためにも、子どものうちにさまざまな経験をさせてあげられるよう意識していました。我が家の3人の子どもたちはすっかり大きくなりましたが、当時お世話になった施設から新たな施設まで、ますますそのような場が増えているのは、子育て世代にとってありがたいことだと思います」(ねねさん、以下同)
そう語るねねさんですが、教育のプロ視点で「すごい!」と思う、子どもの教育における横浜市の魅力を詳しく伺ってみました。
横浜市のここがすごい!学校以外にもさまざまな体験の場がある
昨今、“体験格差”が話題になっていますが、プロ家庭教師で、中学受験コミュニティを主宰するねねさんも、「子どもの頃にどれだけ体験してきたかが、学力にも大きく影響する」と実感しているそう。
「家庭教師として生徒を教えたり、中学受験コミュニティで親御さんと接している中で強く感じたのは、いろいろと体験してきた子の方が“あと伸びする”ということ。それと、クラスや塾に必ずいる“すごくデキる子”の親御さんに話を聞いてみたときも、みんな共通して、『小さいときから塾に通わせていた』など“机の上での勉強”の話ではなく、“体験”の話が出てくるのが印象的でした。
そうやって子どものうちからさまざまな体験をしている子は、思考の引き出しが多いし、“なぜ?”と考えられる思考力・探求心も強く、好奇心もあります。また、メンタルも強く、体力もあるので、どんどん伸びていくんですよね。つい成績を伸ばすためには、どんな勉強法をすればいいかなどに目を向けがちですが、それよりも子どものうちはたくさん体験させた方が、受験期だけでなく大人になっても通用するさまざまな“力”を身につけられると思います。横浜市には、そんな子どもの知的好奇心を伸ばすスポットが満載なんです」
子どもの“なぜ?”を引き出す「はまぎん こども宇宙科学館(横浜こども科学館)」
ねねさんがお子さんの夏休みに毎年訪れていたというのが、「はまぎん こども宇宙科学館(横浜こども科学館)」。2024年に開館40周年を迎えた同館は、体験型の科学館。楽しく遊びながら、宇宙や科学に親しむことができる施設です。工作教室やイベントも開催されており、ねねさんは夏休みの自由研究も兼ねて、光るスライムや万華鏡、傘でプラネタリウムを作る体験をしたそう。



また、なんとここでは“世界一の星空”を見ることができるんです!「世界で最も多くの星を映し出すプラネタリウム投影機」として、2023年にギネス世界記録™に認定された投影機があり、小さなお子さんから大人まで楽しめるプログラムが上映されています。プログラムの後には、スタッフの方によるその日の星空解説も。



5Fのフロアでは、本物の隕石に触れることができたり、月の満ち欠けを体験できるコーナーも。
「科学館などは、親子でたくさんコミュニケーションをとる絶好のチャンス! 普段から子どもが『これやりたい!』と言ったことに対して、『なんでやりたいの?』などと理由を聞くようにしていましたが、こういった体験の場でも子どもが思っていることや考えていることを引き出すようにしていました。学校ではいつ習う内容なのか、解説部分に書いてある展示もあるので、すでに習っているようだったら『これってどういうことかな? ママに教えて?』と、子どもにとってアウトプットさせる機会を作ることもできます。ちなみに、子どもが小さい頃、動物園に行くときには図鑑を持っていったりもしていました。動物園や博物館、科学館などは、そうやって図鑑をお供に巡るのもおすすめです」





子どもの知的好奇心をくすぐる展示が満載。子どもの「なぜ?」は伸ばすチャンス!
●はまぎん こども宇宙科学館(横浜こども科学館)
神奈川県横浜市磯子区洋光台5丁目2−1
【開館時間】
9:30~17:00(最終入館16:00まで)
※状況により、変更する場合があります
【休館日】
第1・3火曜日、年末年始、臨時休館
その他、詳しい情報は公式HPまで
最先端技術で知的好奇心をくすぐる「YUMESAKI GALLERY」

40年の歴史がある施設がある一方で、新たな体験施設が続々とできているのも、横浜市の魅力です。2022年3月にオープンした「YUMESAKI GALLERY」は、韓国のグローバル企業LGが手がけたデジタル体験型施設。施設内では、『旅立ちの島』『色彩の島』『音楽の島』『天文の島』『時間の島』といった、5つの島に見立てた展示を楽しむことができます。


「『天文の島』では地球に関するクイズが出題されましたが、大人でも意外と知らないような内容で、親にとっても勉強になりました。また、『旅立ちの島』では自分でカスタマイズした飛行船で旅に出て、辿り着いた国について学ぶことができたり、『音楽の島』では世界の音楽に合わせてダンスできたりと、グローバルな視点も養えそうですね」


『旅立ちの島』自分だけの飛行船で世界へ! 設問の回答で旅行先が決まる!?


世界各国の花・スイーツ・ランドマークなどからモチーフを選んで、オリジナルのデジタル万華鏡をつくれる『色彩の島』。作成した万華鏡は、データとして保存するか、その場でプリントアウトしてポストカードにすることができる。
「こういう体験の場で得られるのは、子どもが何にアンテナを張っているのかとか、何に興味を持ったか気づけること。私も夫と一緒にそこは気をつけていて、『あ、この子これに興味があるんだな』と気づけるように、子どもの表情や発言などには注目していました。例えば、電車に興味を持ったなと気づいたら、図鑑を買ってあげたり。最初は字が読めなくても、気づいたらひらがなやカタカナ、漢字を覚えるようになって、好きなことからどんどん広がっていくんですよね。楽しく体験することで、子どもは子どもで何かを吸収し、成長しているかもしれませんが、より伸ばしてあげるためにも親の関わり方は大切だと思います」
●YUMESAKI GALLERY
神奈川県横浜市西区高島1丁目2-13 LG YOKOHAMA INNOVATION CENTER 1F
【開館時間】
平日10:00~17:00(最終入館16:00まで)
土日祝10:00~18:00(最終入館17:00まで)
【休館日】
毎週火曜・金曜、年末年始、設備点検日
その他、詳しい情報は公式HPまで
都会でありながら、子どもたちの主体性や冒険心を育める体験も
その他にも、都会でありながら、自然の中で木登りや泥んこ遊びなど、日常でなかなかできなくなったわんぱくな遊びが体験できる「プレイパーク」など、遊びたい・やりたいという気持ちを大切にした遊び場・居場所があります。子どもたちの主体性や冒険心を育めることは、子育て世帯にとって魅力的。

「こどもログハウスもよく利用していましたが、遊具はもちろん、隠し扉などワクワクするようなものもあって、子どもたちもかなりお気に入りのスポットでした。舞岡公園(戸塚区)では田植え体験、海の公園(金沢区)では潮干狩りをしたりと、普段家ではできない体験ができる場があるのは、親としてありがたかったです。また、サッカーの横浜F・マリノスや野球の横浜DeNAベイスターズなど、横浜にはプロチームがたくさんあるので、スポーツが身近な存在であることも横浜市ならではだと思います」

横浜市のここがすごい!多様な教育環境が整っている
体験の場が豊富なだけではなく、もちろん学校教育が充実しているのも魅力の一つ。ねねさんが教育のプロとして「これはすごい!」と語るのが、2024年から運用が開始された、児童生徒と教職員に一人1台配られた端末を活用した学習ダッシュボード「横浜 St☆dy Navi」。市内26万人の児童生徒の学力・学習状況調査や体力測定の結果などが蓄積され、ビッグデータとして分析。児童生徒一人ひとりの健康状態や学習の記録など、様々な情報を一元的に管理することで、教職員が指導に活かすことや保護者が子どもと一緒に一年間の成長を確認することが可能に。今後も新規機能の追加などアップデートを続けていく予定だそう。


「今後はさらに、『今、うちの子がどのくらい学校の勉強を理解できているのか』など、親御さんが適宜、把握できるようになったらいいですよね。テストや宿題があっても、本当に理解できているかどうか、親は逐一チェックできないのが正直なところ。例えば、2年生でかけ算を習うけれど、3年生になって初めてきちんと理解できていなかったことに気づいた……なんて、後々気づくことは親にとってあるあるだと思います。習っている時に、『うちの子、苦手なのかも』と気づくことができたらより良いですよね。そんな風にフォローできるようになったら、より子どもたちの学力が伸びていくのではと思います。ゆくゆくは、システムから一人一人パーソナライズされた個別の宿題が出される、なんてことも期待しています」
また、美術・音楽・演劇など、幅広い分野で活躍するアーティストが学校で授業を行う「学校プログラム」があり、学力だけでなく創造性や感性を育む取り組みも。
「学校でプロの芸術に触れることができるのは、とても貴重な経験。うちの子は、『演劇が楽しかった!』と言っていました」

その他にも、お年寄りの方に昔ながらの遊びを教えてもらったり、芋掘りをしたりと、学校でも体験学習の機会が多く、「その点もとてもありがたかったです」とねねさんは語ります。
横浜市のここがすごい!世界に通用する“力”が身につく
グローバル社会の現代、子どもには日本だけでなく、世界でも通用する“力”を身につけさせたいと思っている親御さんは多いでしょう。2020年度から小学校の英語教育が3年生以上で必修化となりましたが、実は横浜市では国に先駆けて、2010年度から小学校全学年で外国語活動をスタートしていたことを知っていましたか? 文部科学省の調査では、中学3年生の英語力が政令指定都市の中で2位とのこと(令和4、5年度)。約4万人の市内小中学生が参加する“国際平和のために自分がやりたいこと”をテーマにしたスピーチコンテストや国連関係機関への訪問など様々な活動に取り組む「よこはま子ども国際平和プログラム」などもあり、子どもの頃から英語によるコミュニケーション力、そして国際的な視野を育む機会が多くあります。
「小学生のうちは特に英語教育に熱心だったわけではなかった我が家ですが、横浜市立の小中学校には、全校にAET(英語指導助手)がいるので、子どもたちは英語に自然と触れていました。特に長男は海外志向が強く育って、一人でアメリカまで行くように。英検何級持っているわけでも、TOEICが高得点なわけでもないのですが、現地の人と話すことができて、それが楽しいみたいです。小学生のうちからイングリッシュ・スピーカーの英語にしっかりと触れ合えたことは、大きな経験になっていると思います」

世界の児童生徒と学べる!? 注目の新たな取り組みは……
以前からグローバル教育に力を入れている横浜市ですが、その内容はさらに進化しています。2024年から始まったのが、インターネット上の仮想空間「メタバース」を活用し、海外の児童生徒とも一緒に学ぶことができる「グローバルモデル校」。時差の小さいアジアやオセアニア地域をはじめ、世界各国の児童生徒とメタバース空間内でつながり、交流することができます。現在は市内で3校のモデル校のみでの実施ですが、今後は実施校を拡大していくそう。

「長男は海外志向が強いですが、次男は今のところそうでもなくって。親としては将来のためにも、もう少し海外に目を向けてほしいなと思っているのですが……。いきなり留学するのはハードルが高いですが、日本にいてもメタバース空間を使って気軽に海外の方と交流できるのは、とてもいい経験になりそうですごくいいなと思います。同世代の子と交流することで英語に対するハードルも下がりそうですし、ただ教科書で学ぶだけでは実感しにくい文化の違いなど、多様性についても肌で感じられそうですね」
これは共働き世帯にはありがたい…! 市による「小1の壁」対策
子どもが保育園から小学校に上がることで、仕事と子育ての両立がより難しくなる、いわゆる「小1の壁」。子育ての環境が大きく変化するこの時期、それぞれ試行錯誤しながらなんとか乗り越えようとしますが、家庭内でできることには限界が……。横浜市では、小学校施設を活用し、安全で快適な放課後の居場所を提供する「放課後キッズクラブ」 を全校展開するなどしてきましたが、「小1の壁」を打破できるよう、2024年から新たな取り組みがスタートしたそう。
それは、小学校の始業前、朝の時間を学校で過ごすことができる「小学生の朝の居場所づくり」。子どもより早く出勤しなければならない家庭にとって、子どもが安心して過ごせる選択肢があるのはありがたいですよね。現在は市立小学校2校でモデル実施されており、今後、拡大予定とのことです。
横浜市で子どもの可能性を広げる教育を
「これまで3人を育てて、“横浜は子育てしやすい街”と実感していましたが、新たに始まった取り組みの内容を見ていると、今後ますます子育て世代に支持される街になっていくと思いました。そんな、親世代である私にとってとても魅力的な街ですが、うちの子たちが『大人になっても横浜に住み続けたい』とよく言っているのを耳にすると、子どもにとっても住みやすい環境なんだな、と横浜を選んで本当に良かったとつくづく感じます」と語るねねさん。手厚いサービスや施設が満載の横浜市、子育て世代にとってはこれからも注目です。