横浜市在住のおでかけ好き地元ライターが、とっておきの横浜の魅力を、地元民目線で紹介します。

横浜市内の18区すべてに図書館がある横浜市。休館日は原則月1回だけで、ちょっと調べ物をしたいとき、新しい物語と出会いたいとき、静かな時間がほしいとき――それらに応えてくれる図書館が横浜の暮らしに根付いています。

全国トップクラスの開館率を誇る横浜市の図書館は、いつでも気軽に利用でき、全館に配置された司書による質の高い読書支援を受けることができます。図書館の専門家である司書が常にいて、時に探究心を刺激し、時に心に寄り添いながら最適な一冊を導いてくれるのも、横浜市の図書館ならではの魅力です。

中央図書館1階に「のげやま子ども図書館おやこフロア」が整備されたり、 全館で、絵本の読み聞かせなどを行う「おはなし会」などが多数開催されたりと、子育て世代に嬉しいサービスも充実

また、電子書籍サービスやAIによる蔵書検索など、ITを活用した先進的なサービスにも積極的に取り組んでおり、図書館に足を運ぶのが難しい方も含め、幅広い層が本に親しむことができます。

今回は、そんな横浜市の図書館の魅力について、横浜市中央図書館で司書として働く岡野則子さん、都筑図書館で司書として働く青木美幸さんにお話を聞きました。

横浜市の図書館の魅力は”人”

都筑図書館の司書が付けているバッチの画像
都筑図書館の司書が付けているバッチ

図書館司書がつけている「本の相談係」のバッチ。この言葉通り、横浜市の図書館では、わずかなキーワードから情報を結びつけて、目的の資料を探し出すことができるような幅広い専門知識と経験を持った図書館司書に、気軽に本の相談ができる環境が整っています

岡野さん「私は、横浜市の図書館の魅力は”人”だと感じています。実は、司書採用をしている自治体は稀で、横浜市は司書として採用されると、基本的には図書館以外に異動することなく司書として経験を積むことができます。

司書は、人と本を繋げ、さらに人と人を繋ぐ仕事でもあります。図書館以外での経験も、次の世代に受け継ぐことで、途切れることなく質の高いサービスを継続できるのが、他の自治体にはない横浜市ならではの魅力だと思います」

岡野さんの画像
横浜市中央図書館の岡野則子さん

各区の図書館でも利用者と司書の距離が近いという。今年で30周年を迎える都筑図書館では、開館当初から通っている方が、お子さんを連れて、そしてお孫さんを連れて来館し、3代で通っている方もいると都筑図書館の司書の青木さんは言います。

青木さん「子どもの頃から図書館に通っている方が多いので、図書館に行って相談するのが当たり前な環境になっていると感じます。皆さん積極的に本に関する相談をしてくださるので、司書としてやりがいがあります」

図書館司書が読み聞かせを行う「おはなし会」は、すべての図書館で実施されており、その数なんと、あわせて年間1,600回以上。おはなし会をきっかけに保護者と司書の距離が縮まり、本の相談にのったり、生活の中で役立つ情報を紹介したりと、コミュニケーションが生まれているそうです。

子どもたちに心おどる読書体験を

青木さんの画像
都筑図書館の青木さん

日々、利用者の方とコミュニケーションをとるなかで印象に残っているエピソードを尋ねると、子どもたちに対する素敵な想いを聞くことができました。

青木さん「中学生くらいの男の子が、『オオカミとキツネの絵本を探しています』と相談に来てくれたことがありました。『オオカミとキツネ以外になにが出てくる?』などと質問をしてその本を見つけたら、『懐かしい』とすごく喜んでくれて。

おそらく幼稚園生か小学校低学年くらいのときに読んでもらった絵本だと思うのですが、そのシリーズの絵本を大事そうに胸に抱えていたんです。

その時だけ幼い頃に戻ったような表情で、大切な思い出の絵本と再会した喜びを噛みしめているように見えました。その姿を見て、彼にとって大事な本との出会いをつなげられたことに、心が温かくなりました。

彼のような体験をした方は、大人になってからも、図書館を信頼して足を運んできてくれると思うんです。だからこそ、お子様に対するサービスもとても大事で、成長や興味に応じた本を手渡せるように、しっかりと本を選んでいます」

横浜市の図書館に置かれている児童書は、基本的にはすべて司書が目を通したもの。全18館の児童書担当の司書で分担し、1冊ずつ読んだうえで購入する本が選ばれています。

書庫の画像
横浜市中央図書館の書庫

このようなことができるのも、市内の図書館に司書が配置され、互いに連携しているからこそ。本のプロに選ばれた本が並んでいて、安心して子どもが読む本を探すことができます。

岡野「横浜市では、子どもにはロングセラーの本を、という考え方で選書をしています。長い間読み継がれてきた子どもの本は、子どもの気持ちに寄り添い、心の冒険をさせてくれます。ロングセラーのような子どもたちの心に残る本を手渡せるように 心がけています」

親子で気軽に本を楽しめる

横浜市中央図書館外観の画像
横浜市中央図書館外観

取材時、2025年4月のオープンに向けて、中央図書館では「のげやま子ども図書館おやこフロア」の整備が進んでいました。

おやこフロアのイメージ画像
おやこフロアのイメージ
おやこフロアのイメージ画像

「静かにしなければならない」という印象の強い図書館ですが、声を出したり、裸足で遊んだり、離乳食を食べさせたりできるおやこフロアができることで、親子連れの方もより気軽に図書館へ足を運べるようになるのではないでしょうか?

さらにおやこフロアでは、NTTとの共同研究により、AIを活用した絵本検索システム「ぴたりえ」と「ぴたりえタッチ」を導入。特に、「ぴたりえタッチ」は、ロボットからの問いかけに答え、好みのイラストを選んだりすることで、 その子にぴったりの本がレコメンドされます。

ぴたりえタッチのイメージ画像
ぴたりえタッチのイメージ画像
年齢や読みたいジャンルを選択すると、ぴったり!のえほんがおすすめされます。

イラストを選べば、言葉で伝えきれない幼児でも自分好みの絵本に巡り合うことができるというから驚き。おやこフロアを訪れた際にはぜひ活用してほしい画期的なサービスです。

読書体験をより身近にする様々なサービス

司書のお2人の画像

図書館を起点にした読書文化が街に根付いているのも横浜ならではで、駅や商業施設などの便利な場所で、予約した本の貸出しと返却ができる図書館取次拠点が市内12か所あり、通勤・通学や買い物の合間に本を受け取るなど、より気軽に読書を楽しむことができます。

2025年3月29日には、鴨居駅が最寄りの商業施設「ららぽーと横浜」(都筑区)内に新しい図書取次所「つづきの本ばこ」がオープンしました。大型商業施設に取次所を設けるのは初めての試みで、本の貸出しと返却ができるほか、ミニ図書コーナーも設置予定なのだとか。5月からはおやこフロアと同じ「ぴたりえタッチ」と「ぴたりえ」も設置される予定です。

つづきほんばこのイメージ画像
つづきほんばこのイメージ

買い物の合間にも本と出会うきっかけができることで日常生活もますます豊かになりそうです。市民としてもとても楽しみです!

蔵書探索AIの画像
蔵書探索AIの画面

さらに、電子書籍サービスの拡充や、スマホで簡単に利用できるLINE蔵書検索など、先進的なサービスも充実しています。

岡野さん「電子書籍の利用について、 学校と連携してサービスの周知を行ったところ、保護者の方から多くのお申し込みを頂きました。

来館せずとも図書館のサービスを利用できるようになったことで、潜在的なニーズがあったことを体感しています」

まとめ

子育て世代や働き盛りの忙しい世代など、さまざまなライフスタイルの人が日常のなかに読書を取り入れやすいよう、人と本、人と人が繋がる図書館サービスが充実している横浜市。

横浜市には、本を片手に立ち寄りたくなるカフェや、青空の下でゆっくり読書できる公園もたくさんあり、街そのものが「本のある暮らし」に寄り添っているようにも感じます。 ぜひ本とともに暮らす場所として、横浜を選んでみてはいかがでしょうか。

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