横浜は本当に住みやすい?地元民と移住者の声で読み解くおすすめエリアと暮らしのリアル

はじめに:なぜ「横浜の住みやすさ」が注目されているのか

不動産情報サイトSUUMOの「住みたい街(駅)ランキング 2025首都圏版」で、8年連続1位に選ばれている横浜。みなとみらいや中華街など、観光スポットの多さで知られていますが、人気の理由はそれだけではありません。実際の暮らしにおいて重要な「都心へのアクセスの良さ」「子育て環境」「豊かな自然」「治安の良さ」「都会の利便性」といった要素が、絶妙なバランスで揃っていることが、多くの人に支持されている理由です。今回は、そんな横浜市の暮らしの魅力を、さまざまな視点から掘り下げていきましょう。

みなとみらいの風景
みなとみらいの風景
中華街の風景
中華街の風景

横浜市全体の特徴と魅力

交通の利便性

横浜市の大きな強みのひとつが、抜群の交通アクセスです。東急線、京急線、相鉄線、JR各線、横浜市営地下鉄など、市内には22もの鉄道路線が走り、横浜駅は全国で最も多くの鉄道事業者が乗り入れる駅としても知られています。
たとえば、東急東横線・日吉駅から渋谷までは約20分、JR東海道線では横浜駅から東京駅へもおよそ30分と、都心への通勤・通学も非常にスムーズです。

横浜駅外観
横浜駅外観

また、横浜駅からはみなとみらいや中華街、山手など人気の観光地へのアクセスも良いです。さらに、港北ニュータウンやセンター南・北といった住宅地へもアクセスしやすく、日常の買い物や通院、子育てに伴う移動もストレスを感じにくい環境です。通勤・通学から週末のレジャーまで、暮らしのさまざまなシーンを快適にサポートする交通環境が整っています。

生活インフラと商業施設

横浜市は、生活に必要な「便利」がギュッと詰まった街。商業施設、医療機関、図書館、公園などが各エリアに整備されており、首都圏の政令指定都市の中でも多くの「ナンバーワン」実績を誇っています。

・病院の数:首都圏第1位
・百貨店・スーパーの数:政令指定都市第1位
・身近な公園の数:全国第1位
・犯罪率:首都圏政令指定都市で第1位の低さ

病院の数:首都圏第1位 132箇所と書かれたバナー
百貨店・スーパーの数:政令指定都市第1位 吹き出しで百貨店9店スーパー142店!と書かれたバナー
身近な公園の数:全国第1位 2580か所!と書かれたバナー
犯罪率の低さ全国1位と書かれたバナー

このような実績からも、横浜の暮らしやすさが数字として裏付けられていることが分かります。

交通の要所・横浜駅周辺には「そごう横浜店」「横浜高島屋」「NEWoMan 横浜」などの大型商業施設が集まり、さらにみなとみらいエリアには「MARK IS みなとみらい」や「横浜ワールドポーターズ」「横浜ハンマーヘッド」「MARINE & WALK YOKOHAMA」などもあり、週末のショッピングやお出かけも楽しめます。 近年では「Kアリーナ横浜」や「ぴあアリーナMM」などの大型音楽アリーナも登場し、音楽やエンタメの面でも充実した都市へと進化を続けています。

Kアリーナ横浜外観
Kアリーナ横浜外観
ぴあアリーナMM外観
ぴあアリーナMM外観

その一方で、地域密着型の落ち着いた暮らしを実現できるのも横浜の大きな魅力です。弘明寺や妙蓮寺、日吉、白楽駅に近い六角橋などでは、個性豊かな地元商店街が活発に機能しています。

六角橋商店街では昭和レトロな雰囲気と若者カルチャーが融合し、夜市やイベントも盛んです。また、日吉には、無人古着屋「ステルナ」やカレーの名店「HI, HOW ARE YOU」、老舗銭湯「日吉湯」など、日常のなかに“お気に入り”が見つかるスポットが点在。

弘明寺にはアーケードに「弘明寺かんのん通り商店街」が広がり、妙蓮寺では「ニコニコ通り」に地元の商店が並び、暮らしを支えています

さらに、繁華街から少し足を伸ばせば、自然豊かな公園や川沿いの遊歩道も多数市民農園の数は政令指定都市で全国1位を誇り、利便性と自然環境の両方を兼ね備えた暮らしが可能です。治安面の安心感も、子育て世代や女性の一人暮らしにも大きなメリットとなるでしょう。

江川せせらぎ緑道
江川せせらぎ緑道

子育て支援・教育環境

安心できる暮らしを支えるうえで、行政サービスの充実は欠かせません。横浜市では、子育てや教育への支援にも力を入れており、共働き家庭や子育て世帯にとって心強い制度が整っています。

・妊婦健診助成:プラス5万円
・出産費用助成:最大9万円上乗せ
・「にもつ軽がる保育園」、紙おむつや食事用エプロンのサブスク導入など
・長期休業期間中の放課後児童預かり場所での昼食提供
・一時預かり施設への無料のお預かりクーポンの配布
・小児医療費無償化(中学3年生まで)
・中学校の全員給食スタート(令和8年4月から)

出産から成長までに受けられる制度をイラストでまとめた図

横浜市公式の子育て応援アプリ「パマトコ」を使えばスマホから各種手続きのオンライン申請ができるほか、地域の子育てイベントや保育園の情報なども収集でき、忙しい保護者にとって頼れる存在です。

パマトコの操作画面
パマトコの操作画面

認可保育所や2歳児までを少人数で預かる地域型保育事業に加え、幼稚園での横浜市独自の預かりや長時間保育を必要とする場合の2歳児の受入れなど、多様なニーズに応じた預け先が用意されています。また、各園では子どもの気持ちに寄り添いながら、毎日を楽しく過ごせるよう、保育の質を大切にしています。

横浜市立学校では、小学校1年生から英語の授業があり、市独自の取組として外国の文化を学ぶ「国際理解教室」を行うなど、「グローバル教育」に力を入れています

また、約25万人の児童生徒の教育ビッグデータを、一人ひとりの学びやこころの状態に応じたケアにつなげる取組も進めています。

さらに、働く環境の選択肢が多いことも横浜の魅力のひとつです。みなとみらいや新横浜エリアにはIT企業やグローバル企業のオフィスも集まり、近年はスタートアップやリモートワーカー向けのコワーキングスペースも増加中。多様な業種で雇用の機会があり、暮らすだけでなく「働く街」としても発展を続けています

みなとみらいのオフィス街
みなとみらいのオフィス街

このように、横浜市は生活基盤がしっかり整っているだけでなく、「暮らしの楽しみ」と「暮らしの安心」がどちらも叶う街。若い世代にも、子育て中の家庭にも、そしてシニアにも、それぞれのライフステージに合わせた住みやすさが詰まっています。

住みやすいおすすめエリア5選

ではここから具体的に、タイプ別におすすめエリアを5つ紹介します。横浜市は18の行政区からなる大きな都市、それぞれの区に個性と魅力があります。その特性を知ることで、あなたにぴったりの「住みやすい横浜」がきっと見つかるはずです。

港北区:子育て世帯に人気

子育て世代から支持を集めるのが港北区。自然が身近で、公園や遊歩道があちこちにあり、のびのびと子どもを育てられる環境が整っているからです。港北区を代表する新横浜駅前には商業施設や医療機関が充実しており、暮らしの利便性もバッチリ。東急新横浜線を使って「渋谷」、横浜市営地下鉄を使って「横浜」へも短時間で出られます。「新横浜駅」には東海道新幹線が停車し、出張や旅行にも便利です。

新横浜駅外観
新横浜駅外観

地域の見守り体制がしっかりしているのも心強いポイント。「安心して子育てしたい」「自然も教育もどちらも大事にしたい」そんなファミリーにぴったりのエリアです。

中区・西区:アクティブ重視の都会派に

みなとみらい、馬車道、中華街…横浜の顔とも言えるスポットが集まるのが中区と西区。美しい港の風景、アートや音楽イベント、ショッピングモールやカフェも充実、街を歩くだけで刺激的で、日常がちょっと特別に感じられる、そんな魅力あるエリアです。

「桜木町駅」や「関内駅」周辺は、JRや横浜市営地下鉄、みなとみらい線など複数路線が使えて、通勤・通学の利便性も抜群。「横浜ワールドポーターズ」や「コレットマーレ」、「横浜赤レンガ倉庫」、「横浜スタジアム」などの大型施設にも気軽に足を運べ、暮らしと遊びがシームレスにつながります

みなとみらいの風景
みなとみらいの風景

共働き夫婦やDINKs層に人気が高く、高層マンションも充実。「職場に近く、毎日をアクティブに楽しみたい」そんな都会派のあなたにぴったりです。

泉区・瀬谷区:再開発も期待される大注目エリア

今後注目のエリアが、泉区と瀬谷区。相鉄・東急新横浜線が開通したことで、都心へのアクセスがぐっと向上。それでもまだ家賃は比較的リーズナブルで、広めの住まいでゆったりとした暮らしを実現できます。

泉区では2024年に大型ショッピングモール「ゆめが丘ソラトス」も誕生し、街はさらに便利に。「ゆめが丘ソラトス」前の横浜市営地下鉄ブルーライン「下飯田駅」からは横浜中心部へ約20分でアクセスできます。

ゆめが丘ソラトス外観
ゆめが丘ソラトス外観

この地域は横浜市の中でも比較的平坦で、道が広く、緑豊かな公園や地元の伝統行事・イベントも盛ん。昔ながらの自然、地域に根ざしたあたたかな雰囲気が魅力です。

「自然の豊かな環境で子育てしたい」「ゆとりのある住まいでスローライフを楽しみたい」
そんなあなたにぴったり。これからますます発展が期待されるエリアです。

金沢区:コスパと海のある暮らし

金沢区は横浜市の最南端に位置し、海や山に囲まれた自然豊かなエリア。夏は涼しく、冬は比較的暖かいという穏やかな気候も魅力です。横浜・八景島シーパラダイスや野島公園、海の公園など、家族でもカップルでも楽しめるスポットがたくさん。そして金沢区のすぐ背後に広がる大丸山(おおまるやま)や六国峠を越えれば、そこはもう鎌倉。湘南エリアも近く、実際の雰囲気もどこか似ています。休日の鎌倉や湘南散策もご近所感覚で楽しめます。

横浜・八景島シーパラダイスの全景
横浜・八景島シーパラダイスの全景 提供:横浜・八景島シーパラダイス

交通面では京急線「金沢文庫駅」から「横浜駅」へは約15分、「品川駅」へも乗り換えなしで行ける好アクセス。近隣には「三井アウトレットパーク 横浜ベイサイド」や「コストコ」など、大型商業施設も豊富で、日々の生活に大変便利家賃も比較的控えめで、コスパの良い暮らしができるのも人気の理由

「海を身近に感じながら暮らしたい」「サーフィンを楽しみたい」自然も遊びも充実したいあなたにおすすめです。

神奈川区・保土ケ谷区:都心アクセスと家賃のちょうどいいバランス

横浜中心部にほど近いのに、家賃は抑えめ暮らしやすい環境が整っているのが神奈川区と保土ケ谷区。JR・京急線 東神奈川駅や東急東横線 白楽駅周辺は、昭和の雰囲気漂う下町っぽさが魅力です。活気のある地元商店街、スーパーや飲食店も充実していて、一人暮らしやカップルに最適。

保土ケ谷は、緑に囲まれた閑静な住宅街が多く、相鉄本線急行停車駅の「星川駅」やJR横須賀線の「保土ケ谷駅」からは横浜中心部まで10分以内でスムーズにアクセスできます。生活利便施設も揃っており、子育て世代からシニアまで幅広く人気のあるエリアです。

保土ケ谷駅の駅前
保土ケ谷駅の駅前

「地元商店街が充実している街が好き」「都心には近くても、暮らしはリーズナブルに」利便性も自然も、どちらも大事にしたい方にぴったりのエリアです。

住民のリアルな声

では実際に、横浜に暮らしている人たちはこの街のことをどう感じているのでしょうか?
今回は、横浜市営地下鉄「センター北」駅にある「地域子育て支援拠点 Popola(ポポラ)」を訪ね、実際に横浜で子育てをしているご家族に、リアルな声を聞いてみました。気になる「暮らしの本音」をお届けします。

最初にお話を伺ったのは、成田翔(なりたしょう)さんと礼奈(れな)さん。二人とも30代のご夫妻です。都筑区在住で現在1歳になる実礼(みのり)さんの子育て真っ最中。

成田さんファミリー 立っている
成田翔さん、礼奈さん、実礼さん

「生まれも育ちも都筑区で、30年以上この街に住んでいます。他の地域に引っ越したいと思ったことは一度もありません」と笑顔の礼奈さん。「緑が多くて、公園もショッピングモールもあって、なんでも揃っているところが魅力です。都会にはないゆったりした空気も気に入ってます」。

配偶者の翔さんは青葉区の出身。「個人的には、都筑区の方が住みやすいと感じます。子ども関係のイベントが多く、自分のようなファミリー世帯も多いから、自然と友達もできやすい。大きなホームみたいな感じです」。

お気に入りの場所は、おふたりとも「センター北の観覧車」を挙げてくれました。「都筑区のシンボルみたいな存在で、見ると安心感を感じるんです」と礼奈さん。翔さんも「こどもの日などのイベントで時々無料になったりするので、そういう時は必ず乗っちゃいます」。

センター北駅前にある観覧車
センター北駅前にある観覧車

成田さんファミリー ソファに座っている
都筑区での子育てを語る翔さんと礼奈さん

休日は「ららぽーと横浜」や「こどもの国」、時には「桜木町」や「みなとみらい」まで足を延ばすことも。「結婚式をみなとみらいで挙げたので、今でも特別な場所です」と話すおふたり。横浜の暮らしを心から楽しんでいる様子でした。

次にお話を伺ったのは、30代の福田千絵(ふくだちえ)さん 。東京都内からの移住者で、都筑区に引っ越して6年目。現在、9ヶ月の七瀬(ななせ)さんと5歳の一栞(いちか)さんの子育て中。

娘を抱っこする福田さん
都内から移住してきた福田さん

「都筑区の前は関内に2年ほど住んでいました。それ以前は都内でしたが、夫婦で『いつか横浜に住んでみたいね』と憧れていたんです。みなとみらいが好きで、海風を感じながら散歩や買い物ができたら楽しいかなって」。

妊娠をきっかけに、子育てしやすい都筑区へ。「都筑区と関内、どっちも好きですが、子育てのことを考えると断然こちら」。

「子どもが遊べる場所が多いですし、緑も豊かで公園もたくさん。茅ケ崎公園は特にお気に入りです。同じ公園ばかりだと子どもも飽きるので、いろんな公園を巡るようにして、それも都筑区ならではの楽しみですね」。

茅ケ崎公園の風景
四季折々の変化が楽しめる茅ケ崎公園
娘を抱っこして笑顔で横浜での子育てを語る福田さん
横浜での子育てのしやすさを語る福田さん

歩道と車道がしっかり分かれていて、ベビーカーを押しやすい点も安心材料。「子どもが自転車に乗れるようになっても心配が少なく助かります」。周囲にも子育て世代が多く、施設やお店では多少子どもが騒いでも温かく見守ってもらえることが多いそう。「そういう空気感が、本当にありがたいんです」と、子育てにやさしい街の雰囲気を実感しているようです。

まとめ:あなたにとっての「住みやすい」横浜とは?

ここまで、様々な角度から「横浜の住みやすさ」を紹介してきました。一口に「住みやすい」と言っても家族構成や働き方、ライフステージによって、求める環境も様々。横浜には、都市の華やかさも、自然のやすらぎも、どちらもあります。自分に合った暮らしをイメージしながら、気になった場所へ足を運んで、五感で感じてみるのもおすすめです。

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